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 長谷川はこの日生学園第二高校(当時)に籍を置いていた。全寮制の学校だからどうこうと言うつもりはないが、この学校の特色は長谷川の人格形成に大きく関わったのではと推測する。

 男子生徒はみな丸坊主。学校の授業以外に、全員でマラソンをさせたり、全力心行という大声を出して雑巾がけをさせるような全体行動をさせたりと、こうなってくると生徒の思考が停止する。

 そのような生徒が人里離れた学校の寮という狭い空間のなかで暮らすわけで、そうするとどうなるか。先生や先輩など上の者に従順になる。そうしないと集団のなかで生き残れないからだ。だがそのなかで時には上から理不尽な圧力もかけられる。

 そのときにたまった鬱憤のようなものは、どこにむけられるか。結局は弱いものに向けられるのである。集団生活についていけない落ちこぼれにたいして、みんなでいじめるなど攻撃的になる。

 長谷川自身は寮長にまでなったのだから、そういう環境のなかで、うまいこと生き残ってきたのであろう。しかし環境そのものは弱者だけでなく、そのときに強者だったものたちにまで、のちのち影響を残す。

 ”弱いものいじめ”は長谷川なりの生きるテクニックなのであろう。だから”落ちこぼれ”をみつけては、いまも叩こうとする。ただ今と昔で違うのは、昔は集団の中にいたが、今はフリーランスであるということだ。

 だからできるだけ叩きやすそうな弱者やおちこぼれを探しては、過激な言葉で不特定多数のヒトを煽り味方につけようとする。しかしいま現在それがうまくいっていない。なぜかというと言葉に思考がないから、説得力がないのである。

 アナウンサーであるから、トークの技術は一流だ。それである程度ハッタリぐらいはかませるであろう。しかし言葉を活字に変えてみると、これがまるで説得力がないのであった。

今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸がつづくかぎり、僕は君のそばにいる。